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「シンオウ地方の戦いが終わったばかりなのに、またかよ……」
ある新聞のテロップを見つめ、呻いているのは、ワカバに住む少年ゴールド
「ポケモン誘拐事件だってさ」
横にいる彼のポケモン彼が家族と称す中の一匹であるエイパムのエーたろうに新聞を広げてみせる
一方のエーたろうは、首を傾げているだけだったが
「やぁね、物騒な事件、うちのポケちゃんたちも気をつけないとね」
声の主は、ゴールドの母である
得意料理は、グレン風かざんハンバーグだ
「ま、俺んちのポケモンたちゃあ、強さ100倍10000倍だからよ、へへ、そんじょそこらのやつにゃあ負けねぇよ!」
「そうかしら?だといいんだけど?」
母が心配するのも、事が重大性を物語っているからだ
“ポケモン誘拐事件”
昨夜未明、ヨシノシティ郊外のある成金オヤジの屋敷から、マリルが誘拐されるという事件が起きた
犯人の目的は、“公”では、金ということになっているが、実際のところは、わからない
ただ、ヨシノっつう、ワカバのまとなりの町で起きた事件だから、ワカバの人間は、あたふたしちまってる
「ちょっくら、キキョウでもいってくっかな……ハヤトなら、なんか知ってんだろ、あいつ、けーさつっつてたからな」
よっこらしょと、テーブルのコーヒーを飲み干して立ち上がり
帽子をかぶり、ゴーグルを装着、おっと、キューとスケボーも必需品だぜ
いつもと同じ服装をし、いつもと同じポケモンをつれて、小旅へと行く
「母さん!夕飯までにゃあ帰ってくっから、グレン風かざんハンバーグ作って待っててくれよ!」
「はいはい、いってらっしゃい!気を付けてね♪」
母は、笑顔でゴールドを送りだし、テーブルの片付けに戻った
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