†第八被害者―幻影修行―†

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「やっぱり、いたか……レッド」 「やっぱりってどういう意味だよ……」 レッドとグリーンは、手を伸ばせば触れられる距離にいる その方が会話がしやすいからだ 「………さっき、この城でお前のポケモンを見つけた」 「な、本当か!それ!!」 「あぁ、確かだ」 レッドの顔には、もう歓喜しかない そして、城へと走りだすレッドをグリーンが制する 「まぁ、待て、レッド」 聞いたこと 言った覚えのある セリフ グリーンがレッドを制するのは、日常的なことのようだが、最近は、あいもしないため、なんだか、懐かしく感じる 「なんで、止めんだよ!」 「考えてもみろ、今、お前丸腰だろ?」 最初、レッドは、なんのことかと思ったが 腰に手をあて、はっとする 「そか、俺今手持ちゼロでした」 ペロッと舌を出して笑うレッドに 呆れてグリーンがずっこける 「ったく、お前は!!そこらにいる、奴隷ポケモンを連れていくのが良さそうだな」 「え?でも、ここのポケモンだろ?」 「この時代にモンスターボールは、発達していない、一匹一匹ボールにいれていたら、膨大な時間がかかる……だから、大半は、野生のままだろう」 グリーンの話に納得したレッドは、早速辺りを見回す そうすると材木を重そうに運ぶチコリータを見つけた 「よし、あのチコリータにしよう!!」 レッドは、チコリータに近づいていくと、チコリータは、少し怯えて体を震わす 「………怖いのか?そっかそうだよな、大丈夫だよ、俺は君を奴隷扱いしたりしないさ」 レッドは、チコリータに手を伸ばす チコリータは、レッドの手が出た瞬間、怯えて目を瞑る 恐らく、酷い虐待にあってきたのだろう、反射的にとってしまう行動なのだ しかし、いつまでたっても叩かれる様子は、なく 恐る恐る目を開くチコリータの前には、笑顔の少年がいた チコリータは、少しずつレッドに近づくと 何もされないと分かったのかレッドに近づいて、レッドの手を舐めた 「よーし!チコリータ!お前は、今日から、仲間だぜ!!」 レッドは、チコリータの頭を撫で抱き上げた チコリータは、とても嬉しそうに頭の葉っぱを回転させていた
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