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サイクリングロードを通りカントー北側までやってきた、なにやらせわしなく当たりを見回していたブルーとグリーンは、手を腰のモンスターボールにあてていないことから、警戒心は、全くと言っていいほどないらしい
「おっそいわね~、あの子、もう30分にもなるわ」
二人が探しているのは、ブルーの弟のような存在、そして、ジョウトの図鑑所有者でもある、シルバーだ
「ブルーねえさん!遅くなってごめん」
はぁはぁと、息を切らしながら走ってくる
普段は、氷と言っても過言ではないほど、氷のような眼差しだったり、性格だったりする、だが、ブルーが関わっている場合は、別だ。彼は、ブルーを実の姉のように慕い、今でも慕い続けている
「いいのよ!それより、シルバー、あなたに聞きたいことがあるの」
「俺に?」
ブルーは、今までの経緯をすべて、彼に話した
すると彼は、こう言う
「いや、父さんは、今回なんの関わりもない、未だ病状も良くならないしね」
彼の父は、あのカントーを轟かせた事件に関わっていたロケット団のボスサカキだ。彼も、ナナシマ事件まで、父が何者か知らなかったが、ナナシマ事件のある出来事がきっかけで、サカキが実の父であると同時に、父との和解も果たした
ブルーは、ロケット団が今回の事件で関わりを持っていないかどうか、ロケット団ボスを父に持つ、シルバーに直接聞きにきた、というわけである
「そっかぁ、今回は、ロケット団は、関わりなしかぁ~」
残念そうに落胆し、がくっとなる、ブルーをよそに、グリーンは、こう続ける
「じゃあ、シルバー、聞くが今回何か、気になることがあるか?」
「気になること?………しいていえば、なぜ、一番を狙うか、一番好きなポケモンばかりというのが気になる」
「なるほど、確かにな」
「頭の回転のいい“奴”のことだ、何かに感づき、敵にそれを悟られだんだろう」
彼が奴と呼ぶ存在は、ただいま療養中のゴールドだ
「あなたが人を評価するなんて珍しいじゃない!」
滅多に人を褒めず、貶すことなら、何度もしてきた、その少年は、ゴールドを評価していた
実際彼は、ゴールドに少なからず、憧れがあった
光の中で育つゴールドと違い、シルバーは、闇の中で育ってきた
常に常に闇が寄る、シルバーは、それを自分でも、悩んでいたらしいが、父と和解してからは、彼も闇と付き合っていくことを選んだ
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