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さっきから、立ったり座ったり、リングマのようにうろついたりと、イエローは、せわしなく動く
流石のレッドも、イエローの落ち着きのなさに見兼ねて
「イエロー、少し落ち着いて座ってくれるか?」
イエローに座るように促す
「あ、はい!!すみません!!」
あわあわしながら、レッドのすぐ隣に座る
こういうところは、以外とちゃっかりしていた
「大丈夫だよ、イエロー、心配な気持ちもわかるけどさ、信じて待とうよ?」
そう、優しいというか、なんというか、甘い笑みを浮かべて、イエローの頭をなでながら言うものだから
イエローの体温は、一気に上昇し、顔から火が吹くとは、まさに今のイエローのことだ
そのイエローを見て、レッドは、頭の上にクエスチョンマークをいくつも並べていた
やがて、応急処置が終わったのか、先ほどの女医さんが出てくる
この女医さんの容姿は、一見すると紫式部。美しき日本女性というやつだろう
「はぁーぁ、とりあえず応急処置は、したわよ!」
その女医さんは、肩を大きく回しながら、フレームがない眼鏡を鼻まで下げた状態で出てきた
「ありがとうございました!エリカは?」
レッドが飛び跳ねながら立ち上がる
横にいるイエローは、レッドに続いて素早く立ち上がる
「うん、そうね、うちみたいな、ちっさい病院じゃあ、ここまでが限界、明日、ヤマブキに移動する必要があるわね」
鼻までずり下がった眼鏡を上げながら、女医さんが説明する
「そうですか……」
落胆の色をみせるレッドを見ながら女医さんは、こんなこともいう
「なーんか、ひっかかるのよねぇ………」
うーんと、何かを考えながら、髪の毛をくるくるといじる
考えているときの彼女の癖だ
「気になるって?」
イエローがその言葉を不思議に思い問う
「いや、よくわかんないけど、気になるのよ………ふぁ~あ、あらいけない、失礼。もうこんな時間ね……」
欠伸をした彼女が腕時計を見たとき、すでに夜中の0時をすぎていた
「あなた達も、早めに寝なさい、私ももう帰るわ」
もう一度欠伸をし、宿直の看護師に鍵をわたしながら、何かあったらよんでね、といい、病院をわたしながら、あとにした
レッドとイエローは、とりあえず、病院を出、近くのポケモンセンターへ行き、作戦会議をすることにした
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