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「はぁー、もう嫌になるったい………」
ため息をつきながら、カイナの市場をとぼとぼと歩く少女がいた、この少女は、ホウエンの博士オダマキ博士の娘、オダマキ サファイアである
そして………
「なんだい、サファイア、浮かない顔をして、こんな買い物日和、けずくろい日和にそーんな顔をしてちゃ、ソルロックも悲しむってもんさ…………お、CUTEなもの発見!!」
そう、サファイアのため息の種は、この横にいる少年である
本当に忘れてるのか、演技か、私が告白したことを忘れたというこの少年こそ
ジムリーダーセンリの息子ルビーだ
「誰のせいだと思うとると………」
さっきのルビーの言葉に、ボソッと独り言を言う
「サファイアー、ちょっと来てくれよー!!」
「なんや、また、なんか見つかったとか?」
さっきまで、うなだれていたサファイアは、ルビーに呼ばれて、寄っていく
「どげんしたと?」
「いや、このラジオ……」
「ラジオ?」
一見してみても、かわいいと呼べるものではなく、彼の趣味とは真逆のレトロなラジオだった
サファイアは、指差されたラジオを不思議そうに真面目に見つめた
「サファイア?ラジオ聞いてる?」
「え、聞く…………あ!!」
そう、彼は、ラジオをさしていたわけじゃなく、ラジオから流れるニュースを聞いて、私を呼んだのだ
「どうせ、君は、漢字が読めないから、新聞とか読まないんだろ?」
こくこくと頷き、私は、ニュースに耳を傾けた
『臨時ニュ……ガガ、す、昨夜め…ガー、ナモ、ティの民宿…ガーガガ、ポケモンゆうか…ガガ事が発生しました……』
「ミナモでポケモン誘拐事件やて!?」
「そ、ホウエンでも起こったか……」
ルビーは、さっきまでのおちゃらけた態度から、真面目な態度へとかわる
「もって、まさか、他にも起こってると?」
「ああ、4日前に、ジョウトヨシノシティ、さらに同じ日に、リニア、3日前、ハナダシティ、そして、今日、ミナモ……」
「な、知ってたと?」
「うん、ごめん、サファイア、君を危険なメにあわせたくない、その一心で君に言わなかった、でも、今日、話そうと思っていた…」
「…………もうよか、とりあえずなんとかせんと」
私は、必死に謝る、ルビーを見ながら、私を気遣う彼の優しさを感じていた、本当に優しい、性格こそ少し変わったが、その優しさだけは、5年前となんらかわりなかった
「さて、とりあえずミナモ行こっか!」
「うん!!」
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