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―セキチクシティ、郊外
グリーンは、ブルーとシルバーから少し離れたところで、ある疑問、というか、腑に落ちないことを確かめていた
その腑に落ちないこととは、何故、これだけ、いろんな人が歩き回っていながら、誰も、その影をみていないということだ
気配を消せるのか
ポケモンの技を使っているとも思えない
となると、あとの手段は
空
グリーンは、空にピジョットを放つと、半径1キロメートルを調べてこいといった
そのピジョットの帰りを今、待っているのである
(おそい………何があった、たかが、半径1キロメートルだぞ?)
険しい表情で空を見上げるグリーンは、ある不可思議な点を見つけた、それは、地上約4000メートルくらいか
かなり上を飛んでいるようだ
「なんだ、あれは」
不思議に思った、グリーンは、太陽があるにもかかわらず、双眼鏡でその数千メートル先の物体を見る
と、その影は、グリーンの狙い通り、人影だった
「ビンゴだな……」
思わずつぶやいた、言葉が、ブルーとシルバーにも聞こえたのか、二人も上空を見上げる
グリーンは、微笑むと、リザードンを繰り出し、あいつらを下に落とせと命令し送る
そのあと、ピジョットが帰ってきたため、そのまま、空へ向かわせた
間もなくして、上空の人影は、地面に投げ出され落ちてくる
「あー、いって、くそー、なんだよー」
身なりは、かなりいいが、地面に落ちたため泥だらけだ
もう一人の付き添いと見られる人物も降りてきて、やれやれと少年を抱き起こす
「うー、ざけんなー、このガーネット様を突き落とすとわー」
「全く、ちゃんと、ポケモンを操縦できないからですよ、坊っちゃん」
「うるさいやい」
その二人の会話を終始唖然として、グリーンは、見ていた
まさか、今回の暗幕が、こんな間抜けな奴らなんだろうか?と思ったからである
「さてと、なーんで、僕らを落としてくれちゃったのさ、僕らは、忙しいんだよ!!」
叫ぶと同時に、モンスターボールが開いた
「僕らが、“闇組貴族”って知ってて襲ってきたって思っちゃっていいのかなぁ~!」
少年のモンスターボールから現れたのは、ヘルガー
ダークポケモンとは、よく言ったもので、まるで、地獄からはい上がってきたようなポケモンだ
しかし、グリーンは、そんなヘルガーに対しても、眉一つ動かさずに、ポケモンを出した
「行け、サイドン!」
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