序章

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ガチャリと部屋の向こう側で、鈍い音が響く。 まるで鍵が開けられたようなそんな音。 私はゆっくり顔をあげた。 その瞬間。 バチンと音がして、部屋の明かりが一斉につけられる。 突然の眩しさに、私は目をほそめた。 部屋の向こう側。 壁際に、人影が見える。 黒いマスクをかぶり、皮のボディスーツに身を包んだ人間。 その豊満な体つきから、女性だと理解できる。 彼女は片手に私と同じ銃を持っている。 しかし、なにをするわけでもなくただそこにたたずんでいた。
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