序章

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「お前は選ばれた」 不意に部屋中に声が響く。 先ほどの男の声だ。 「これから世界に飛び出すために、その力試させてもらう。中心の宝を奪うために、その者と戦うのだ」 戦う? 誰かもわからない目の前のあの女性と? 私は信じられないというように頭をふる。 「拒否はない。拒否はすなわち死に繋がる。死にたくなければ、奪え」 奪えという言葉が終わった瞬間。 目の前の女性が銃をこちらにむける。 「さあ、戦え」 男の声が再び響く。 どういうことなのだろう。 銃の使い方すらわからない私に戦えだなんて。 そう男に進言しようとした時だった。
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