序章

12/16
前へ
/237ページ
次へ
高い銃声と共に、私の頬をなにかが掠める。 それは後ろの壁に深い穴を開けた。 私の頬にやけつくような痛みと、熱いものが流れる。 撃たれたのだ。 そうわかるのに時間はかからなかった。 「何故!」 私は女性に大声を張り上げる。 女性は答えず、銃を構えたままこちらを狙ったままだ。 再び銃が激しく火をふく。 私は素早く横とびにそれをかわした。 かわしながら銃のトリガーに指をかけ、女性にむける。 何故だろう。 使った記憶すらないのに、銃を持つ手は全く震えてはいなかった。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1616人が本棚に入れています
本棚に追加