序章

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暗い闇の中。 ぼんやりとした意識の中で私は薄く目を開く。 手首を動かそうとすると、ジャラリと鈍い鎖の音がした。 下を見ると、私の白い手足が見える。 何も纏わない私の体が、暗闇にぼんやり浮かび上がっていた。 それでもなぜか、私の心には恥じらいすらない。 普通なら慌てて隠そうとするのに、そんな気持ちは全く沸き上がってはこなかった。 ジャラリ。 足元で同じ鎖の音がする。 なぜだろう。 私はどうやら手足を鎖で拘束されているようだった。
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