第九章

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「クローンは、やはり完璧じゃなかったんだよ」 ジェイが眼鏡を外し、軽く拭きながら言葉を発する。 「完璧?」 「収容後、クローンは再び意識不明になり、エックスの知らないうちに亡くなったのだ。 研究所以外の場所では、やはり身体に無理があったらしい。 そこで私は、オリジナルローズをつかうことにしたのだ。 すでにドン・ラビンと接触し復讐計画を始めていたエックスを騙すために」 Gはなにかをつまみ、ガーネットの側に近寄ると、彼の手のひらにそのつまんだものを置く。 それは小さな黒いチップだった。 「これを、オリジナルローズの脳内に埋め込み、記憶を消したのだ。クローンとして、エックスの記憶を思い出させないためにな」
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