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「記憶を」
ガーネットはじっとそのチップを眺める。
ほんの小さなただの機械なのに。
「記憶を消したあと、クローンとして彼に意識づけるため。エックスに気づかれないため、私はローズを地下に拘束した。
そしてエックスには、不完全なクローンだから暴走を始めてしまった。そのための幽閉だと説明した。
彼はまんまと騙されたのだよ」
「…俺は」
不意にガーネットが話を遮るように声をあげる。
「俺は、エックスも許せない。
だけど、G。
あんたも結局は同じことじゃないか?
目的のために、ローズ姫を利用したことになる」
ガーネットはぐっと拳をにぎる。
パキンと手の内で、チップが壊れる音がした。
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