第九章

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「…そうなるな。否定はしない」 「彼女は自分の存在を探して。苦しんで。 そんな彼女を利用したのはエックスもあんたも同じじゃないか」 怒気をはらんだガーネットの声。 飛びかからんとするガーネットをジェイがGとの間にはいり制止する。 「ガーネット」 「ジェイ!お前もだろ?知っててずっと騙してた!」 ガーネットの怒りの矛先がジェイに向けられる。 「…そうだな。確かにそうだ。 俺も同じ、 唯一の身内なのにな」 視線をそらしながら言ったジェイの言葉に、ガーネットが眉をひそめる。 「身内?」 「…そう。彼女はさ。俺の妹。小さい頃に生き別れた、さ」 ふっとジェイの瞳が潤んだようにガーネットには見えた。
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