序章 ―旅路―

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ユランに担がれたまま、ユランを無視して人生論を語りはじめるエルリータ。 やはりこいつも大物だった。 「ふぅ」 軽く嘆息して前を見据えるユラン。いつのまにか次の国が前方に姿を現しはじめた。 相も変わらず人の肩で演説を続ける"天使"エルリータと、隣で拗ねている"悪魔"アルナエラ。 退屈しないツレ二人を見遣り、保護者のような心境に至りつつも、ユランが二人に前方の国の存在を教えてやると、同じタイミングで前に目を向けて、同じように歓声を上げるエルリータとアルナエラ。 孤独な魔術師と虚弱な天使、善人な悪魔の話の始まりだ。
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