届くなら

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そして今日もまたいつものように夜が来る、窓から外を見渡してみても朝と比べて人通りが少なく、話し声などしない。 僕は夜の方が好きだ。 人の声が少ないぶん 余計なことを考えなくていい。 僕は夜は眠らない、寝たくないんだ。 夢を見るから それは変な夢で、寝ている自分にたいして 自分が話しかけてくる。 『ねぇ 聞きたいことがあるんだ…僕の質問にこたえてほしい…』 そうやって悲しそうな声で僕に話しかけてくる。 だけど僕はずっと耳を塞ぎ、 頼むから夢から覚めてくれって ずっと心で叫んでる…。何回も何回も。 だって… ごめん… 僕は喋れないんだ 僕の声は誰にも届かない…。
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