届くなら

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『起きてんならこっちに来~い!!!!』 完全に近所迷惑レベルの 大声で彼女は叫んだ。 誰なんだ あの人… 一体なにがしたいんだろう… ガツンッ 窓にコーヒーの空き缶が当たる 『早く~!!!うぉ~い!!!!!!!』 だめだ… このままじゃ近所の注目の的だ そして僕は ものすごい恐怖を感じながらも彼女の所に向かう 決意をした。 階段を降り 外にいる彼女のもとへ 向かう。 その途中、恐怖と緊張で心臓の音が激しく聞こえる。 バク バク バク… そういえば こんなに心臓の音が激しくなったこと あっただろうか そして 僕が玄関のドアを開けると。 女の人は車の前で立っていた 『やっときたか少年よ!居ることはわかってるんだから早く出てきなよ』 そう言って彼女は僕にニコッと笑ってみせた。 その人のことがすごい恐くて嫌だったのに、何故だったんだろう 僕はそのとき 彼女の何気ない笑顔にかすかな安らぎを覚えたんだ。 そう、これは変な人に出会って 大変な事件に巻き込まれる そんな話… ではなくて これは僕の恋の物語。
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