囚人生活編

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仕方ないから荷物でもかたづけよ。 そう思って自分の持ってきたカバンを広げ始めた。 持ってきたものっていってもしょうもないものばかり。 本とか人形とか…とりあえず手元にあるものを放り込んできただけ。 カバンからある物を出した時、部屋の空気が変わった。 『それ…。』 『え?スニーカー?』 ボクが持ってたのは1足のスニーカー。 あるアーティストとコラボした珍しいものらしいけど、よくわかんないから普通に使ってた。 『それ…』 雑誌を読んでたはずのベッドの住人がこっちを、…いやスニーカーをガン見してる。 よく見たら彼の後ろにはいっぱいのスニーカーが。 あ、そーゆーことか。 『いいよ。コレあげる』 ボクがスニーカーを手渡すと、無言だけど嬉しそうにスニーカーを眺めている…… 『えっと~…』 『…キレメンコ』 スニーカーを見つめたままだけど名前を教えてくれたキレメンコ。 なんか物でつったみたいだけど、嬉しそうにスニーカーを磨くキレメンコの表情を見てボクは確信した。 この人、怖い人じゃないなって…。 こうしてボクらの同室生活が始まったのでした。 続く…
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