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何時間経っただろうか。
ツレの寝息と川のせせらぎの間に変な音がしているのに気付いた。
何だ?
………ザッ………ザッ………ザッ…
足音?
近づいて来る…
枕元の懐中電灯に手を伸ばす。
だが、懐中電灯は見つからない。
そうこうするうちに、足音の主はテントの周囲を回りはじめた。
何周も何周も、グルグルグルグルと。
足音はグルグル歩き続ける。
ツレはまだ寝息を立てている。
確かめる勇気もなく、寝袋の中で震えていたら足音が止まった。
ちょうど入り口辺り。
バンッ
入り口を叩く音。
カリカリカリカリ…
引っ掻く音。
そして時折聞こえる
「ラン…ラン…ルー…」
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