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「さっむ。」 いくら近いからって格好を間違えたらしい。すごく寒い。 「マフラーしてくれば良かったかな…」 引き返すには進みすぎた距離。 出来る限り身体を小さくして歩き出した。 「いらっしゃいませー。」 あったかい。 数分歩いて着いたコンビニ店内は 外よりあたたかった。 とりあえず何があるか見てみる。 ご飯を作るにも何を作ればいいのやら。 さっぱり分からない。 基本はあたし一人だからご飯で悩む事はない。 朝ごはんは食べないし。うーん。 「卵…目玉焼きか。あと味噌汁。あ、惣菜とか?」 一人でぶつくさ言いながら、色んな物をカゴに入れていく。 数分後にはカゴがいっぱいになった。 「インスタントとお酒ばっか…。」 つい、いつもの癖がでてしまった。 「ま、いっか。」 そのままレジへと向かう。 眠いのか、少し無愛想な店員さんが 慣れた手つきで商品を袋へとうつしていく。 「合計5600円頂戴致します。」 …高い。 適当に入れるんじゃなかった。 少し後悔しながらも棚に戻す勇気もなく そのまま支払いを済ませる。 「ありがとうございましたー。」 扉を開ければ、まだ冷える外の風。 帰りは、行きよりも時間はかからなかった。
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