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「…ごめんなさい。」
自分の作った味噌汁を一口飲んで、
私はすぐにゆっこに謝った。
これは酷い。
「もう分かったから座って待ってて。」
「はーい。」
味噌汁すら作れないなんて…。
「ねえ、楓。」
一人落ち込んでいたら
ゆっこに呼ばれた。
「何?」
「堤くんと戒くん覚えてる?」
「ん?誰?」
「ひどいなー。あんなに仲良かったのに。」
ツツミ…カイ…
「あ。」
「思い出した?」
「うん…。あの二人がどうしたの?」
「今度こっち帰ってくるんだって。」
「へー。そうなんだ。」
さっきの味噌汁に手を加えながら
嬉しそうに話すゆっことは対照的に
私は興味なさげに返事をする。
「へーって冷たいね。」
「だって…。ねえ?」
確かにあの二人とは仲が良かったけど
それは小さい時の話。
自称大人になった私。には喜べない。
私には、二人と会う資格なんかないんだから。
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