2/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「楓、準備出来た?」 「あとちょっと!」 「遅ーい。」 今日は二人とも仕事が休み。 だから出掛けようって話になったんだけど 私って本当にどんくさい。 「楓ー。早くー。」 「はいはい。もう行ける。」 とっくに準備を済ましたゆっこに急かされた私は、ほぼスッピンの状態で出掛ける事になった。 とりあえず肌と眉毛だけでもやれたから、よしとしよう。 「どこ行く?どこ行く?」 いつの間にかタクシーを呼んでいたゆっこが、タクシーに乗り込みながら聞いてくる。 「じゃあ、買い物したいからいつもの所行こう。」 「運転手さん、dibってお店分かります?」 「ちょっと行った所の雑貨屋さんですかね?」 「はい、お願いします。」 ゆっこと運転手さんの会話を聞きながら、窓から見える景色を眺める。 「dib久しぶりだね。」 運転手さんとの会話を終えたゆっこが笑顔で話し掛けてくる。 「しばらく行ってないから新作いっぱいあるかもね。」 dibの商品のほとんどはオーナーさんのデザインで作られていて、 シンプルだけどどれも可愛くて気に入ってる。 お店の雰囲気も可愛くて好き。 「ここら辺でよかったですか?」 しばらくぽけーっとしながら揺られていたら、いつの間にか着いていた。 運転手さんにお金を払い、お礼を言って車を降りる。 「相変わらず可愛い。」 「早く入ろー。」 ゆっこに手を引かれ、店内へと足を進める。 心地好い音楽が流れていた。 「あーあれ可愛い!」 お目当ての商品に駆け寄るゆっこに続いて 私も見ようと歩きだす。 「楓、見て見て。可愛い!」 「ゆっこ早いよー。」 ゆっこに近づく一歩を踏み出した瞬間、 「楓…?ゆっこ?」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!