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「おー、楓来たね。まあ座って座って。」 「うん。」 「楓ちゃん何飲む?」 ゆっこと向き合って座ってすぐに、 店長さんがオーダーを取りに来た。 「じゃあ生で。」 「はいよー。」 いつも思うんだけど、ここの店長さんはすごく素敵な笑顔を見せる。 見てるだけで癒されるような、キラキラした笑顔。 「…えで。楓!」 「何?ゆっこ。」 「何?ってさっきから話し掛けてんのに返事しないからさ。」 「あーごめんごめん。で、何?」 「楓何かあったでしょ。」 「何かって?」 「それはよくわかんないんだけど。」 「…振られた!」 「また?」 「またとか言わないでよ。これでも傷ついてるんだから。」 「ごめんごめん。んで理由は?浮気でもしたの?」 「するわけないじゃん。私一途なの知ってるでしょ。」 「そうだったね。じゃあなんで?」 「可愛いげないんだってー。」 「それもまたか。」 「毎回毎回聞き飽きたっての。」 「楓可愛いとこもあんのにわかんないのかねえ。」 「わかんないんだろうねえ。」 「ほんと、楓ちゃん可愛いのにねー。」 「ちょ、店長さん何混ざってるんですか。」 いきなりゆっことは違う声が聞こえて驚きつつも振り向くと、ビール片手にキラキラ笑顔の店長さんが立っていた。 「気にしないのー!はい、生!」 「まあいいですけど…。ありがとうございます。」 「よし、楓乾杯しよう。店長さんも!」 「いいね。今日暇だし俺も一杯いただいちゃお。」 「はい、かんぱーい。」 暇だからっていいのかと思いつつも、ジョッキを傾ける。 「ぷはあ。んまっ。」 「あはは、楓ちゃんオジサンみたい。」 「店長さん失礼ー。」 「ごめんごめん。」 ああ、やっぱり癒されるわ。 キラキラ笑顔。
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