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「んでねえ、あたし言ったのよ!ふざけんなーって。」
「うんうん。」
あれから2時間は経ったかな。
ゆっこは十分すぎるくらい出来上がっていた。
「でね!って、聞いてんの楓!」
「聞いてる。聞いてるから。」
最悪だ。
普段はセーブして呑んでるから大人しいのに、今日は明らかに呑みすぎてる。
「ゆっこ。」
「なあに?」
「何かあった?」
「何かって?」
「なにかはわからないけど。」
「…ゆっこちゃん振られちゃいました!」
「え。」
「なあんてね。うっそぴょーん。」
「…」
「あ、楓怒っちゃった?」
「別に。」
「嘘つきー。目つき変わってるよ。」
「生れつきこんな目つきですけど。」
「ごめんてば。怒んないでよ楓ちゃん。」
「怒ってない。けどしばらくお酒禁止ね。」
「えーやだやだやだ。」
ゆっこは酔うと子供みたいになる。
ちょっと迷惑だけど、甘える仕種がすごく可愛い。
元彼が求めてたのはこういう可愛さだったのかな。
…あたしには無理だ。
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