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『!、おーい!車内に子どもがいる!二人だ!』
『駄目だ!クレーンでトラックを持ち上げないと!』
『待ってて!すぐに助けてあげるから!!』
救助隊の人たちの声が聴こえた時、後少しで助かると感じた。
しかし、激痛はもはやピークに達していた。
『………なんか、…眠くなってきた…な…』
『…!?、だ、駄目!お兄ちゃん…!寝ちゃ駄目……!寝たら…!』
『あぁ、大丈…だよ…冬…こ』
視界が暗くなる。
その時、運転席と助手席に座っていた両親は即死していた。なんて、俺たち二人はもう、薄々気付いていたんだ。
『やだ…やだ!…っ…駄目だよ…!……独りにしないで…!お兄ちゃん…!私を……置いて…っ…独りに………しないで………』
今までの人生、冬子のお願いには否応なく応じてきた。
……でも、もう無理だ。そのお願いは聴けない。
その時、車体が動いた。
上に乗っかっていたトラックが、持ち上げられたと分かった。
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