一話

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「冬夜ぁあああああああ!!」 天をも裂くかの如く、ものすごい大声が俺の鼓膜を刺激した。 「は!はははい!?…げ!ゴリ先生……!」 「新学期早々、俺の授業で寝るたぁ、いい度胸してるじゃーねぇぇぇか?」 時計を見ると、今は丁度…四限目が始まった辺りだった。 ……あれ、三限目の終わり辺りからの記憶が…無い……。 …そうだ、ちょっと机に伏せてたら寝ちまったんだ。…てへ☆ 「そうかそうか、そこまでして俺に掘られたいか…。ならば望み通りにしてくれる!!」 「ぎゃああああああ!!」 「ってのは冗談だ。廊下に立ってろ」 「ふぅ…、…って、今どき廊下ですか!?」 「ふ、昭和生まれ舐めんなよ、ほら、早く行け」 「へい…」 またも爆笑の嵐。佐賀曰く、ゴリ先生のホモネタと俺の失態が見事にマッチしているらしい……これは、かなりの不名誉? …そうだ、佐賀!お前が起こしてくれりゃよかったのに…! 佐賀の席を見ると、奴は爆笑の嵐に紛れて、他のみんなと一緒に笑っていた。 …ふっ、さすがは悪友…か。 俺はゆっくり廊下へ出た。 。
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