一話

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早く四限が終了しないかと願いながら下界を見ていたその時。 「……を」 とある一人の女の子が校舎から出てくる。…間違いない。 「冬子ー」 だが、すぐそこの扉の向こうではゴリ先生の授業が行われているので、大きな声は出せなかった。 だからせめて気持ちだけ。 超小声で妹の名前を呼ぶ。 その瞬間、冬子がピタッと、歩くのを止め、辺りを見回した。 「?」 何をしてるのかと思いながら見ていたら、校舎三階の廊下の窓から顔を出している俺と目があった。 え、すげぇ。今の俺の小声……聴こえたの? 途端、冬子の顔がパァッと明るくなる。何という神スマイル。 で、そのままさっき出てきたばかりの校舎へと入っていく。 ……え、まさか。 いや、そのまさかだ。 …ここに来るつもりだ。 駄目よ冬子ちゃん、来ては駄目、私を置いて逃げてー! わたくしのクラスはまだ授業中。そんな時に来られて、ゴリ先生に見つかったら…。 『…はっはっは!仕方ない!今夜はお前を貫通させるか!!』 ギョエエエエエエ ネタだと分かっていても、いつ本気になるか分からないから…、それがまた恐怖。 。
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