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…ずっと一緒に居てくれる。
…絶対に独りにはさせない。
私は、兄のその言葉を信じた。
全身に激痛は走っている程の怪我であるはずなのに、無理矢理に笑顔を作ってくれた。
「………お兄…ちゃん…?」
だが、その兄がいきなり目を閉じた。
もう二度と目を開けないのではないかと思う程、長く、短い時間の中、私は焦っていた。
しかし、静かな寝息をたて始めたのを見てすぐに安心し、安堵の笑みを零した。
「ふふ……おやすみなさい…お兄ちゃん…」
…今思えば、なぜあんな事をしたのか、私自身、全く分からなかった。
あくまでも、感謝の気持ちを伝えたいと思ったからであると信じている。
普通…いや、間違っても血の繋がった兄妹ですべきではない行動であったから…。
…でも、その時から…なのかもしれない。
そんな優しい兄を、家族愛とは別の方向へ愛していってしまったたのは……。
。
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