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他の生徒同様、部活勧誘のチラシを受け取りながら歩いてくる。
「弓道部よろしくお願いしまーす!」
「興味あったら入ってね~」
「サッカー部はマネージャーを募集中でーす!」
手当たり次第にやってる連中を尊敬するよ。俺ら文化部関係なんてそれほどの人数は要らない。せいぜい数人ほど入ってくれれば、それだけでも結構にぎやかになるものだ。
で、自分たちが所属している文化系の部活というのは茶道部だ。お茶を入れて「結構な御手前で」とか言うアレである。二つの部活動の顧問を掛け持ちしている教師が、こちら側に全然来ないものだから、実際はお茶を飲みながらお喋りをしたりして、適当な時間に帰るだけの休憩所のような存在となってしまってはいるが。
「はい、ありがとうございます」
「はい、考えておきます」
そんな事を考えている間に妹が近付いてきた。周りに紛れてチラシを渡してみよう。
「茶道部をよろしくお願いしまーす」
妹はチラシを受け取った瞬間、聞き覚えのある声に気付いたのか、顔を上げ、嬉しそうな顔で言った。
「あ、兄さん」
俺よりも少し小さい女の子。そして、俺の実の妹。
「よ、冬子(トウコ)」
。
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