一話

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「ちょ、ちょっと兄さん!?」 物凄く驚いた顔をして俺を呼ぶ。その顔は赤くもなっていた。 「うぉぉ!ありがとう冬子!これで俺の腹の虫は救われた!神様ありがとう!なんて誇らしい妹を俺に与えてくれたんだ!」 なかなか盛大に叫んだ。 「なにやってんだ?冬夜の奴」 「なんか感動することでもあったんじゃない?」 「ああ、あいつ、感動すると何か叫ぶんだよな」 「今日は涙まで流してるね、よっぽど嬉しいことがあったんだろうな」 『感動すると、なんか叫ぶ』 周囲の人間には見慣れた光景であり、何故かこの持ち前の癖が、人気の一つとなっている。 「に、に兄さん!やめてください!恥ずかしいですよ!そ、そういうことは…家に帰ってから…!」 抱き締められ、戸惑いながら兄を引き離そうとするが、さっきよりも真っ赤になり、まんざらでもない顔をしている。…おまけに、ちょっとした爆弾発言まで。 。
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