思い立ったが、吉田引く1

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  「あ~……ごめん、ごめん。そんなに怒らないでよぉ。ねっ?ごめんなさぁ~いっ♪」     「…………」    僕は、心ゆくまで笑われた二人に背中を向け、頬を膨らませたまま黙っていた。     「……ふぅ。ユリヤお姉さまが、これほどまでに謝っておられると言うのに。まったく、心の狭い男だこと……」    僕の背中越しに、ミレイさんの毒が、ため息とともに聞こえてくる。    でも……。     「……謝罪の言葉に、誠意が感じられません」    僕が、背中越しにそう言うと、おそらく、ミレイさんのものであろう、ため息が聞こえてきた。     「レディが謝罪の言葉を述べたなら、言葉じりはともかく、素直に受け入れるのが、紳士と言うものではないですか?    そんな事だから、路頭に迷って、ユリヤお姉さまのお手を煩(わずら)わせるんですよ!」     「って、何でそこまで言われなきゃいけないんですか!」    売り言葉に買い言葉、思わず振り返ってしまった僕に、ユリヤさんが優しく微笑む。     「まぁまぁ。ここはほら、これから寝食を共にする仲間になったって事で、大目に見てよ、ねっ?ねっ?け・い・く・ん♪」    そう言いながら、笑顔で僕の頬を、人差し指でつついて来るユリヤさん。    そんな僕らを、頬を膨らませながら、ミレイさんが睨んでいた。
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