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そして、このきれいなお姉さんは、2階建てのアパートの1階に住んでいる様で……
表札も何も付いていないドアの前に立つと、ノブを回して、いきなりドアを開けた。
「たっだいまぁっ!お客さん連れて来たよぉ。今夜から、一緒に寝泊りするから、よろしくねぇ?」
背中しか見えなかったけど、おそらくは笑顔で、さらりと言いながら靴を脱ぎ始めるお姉さん。
その先にある、二部屋に分かれたドアの向こうから、おそらく、女性と思われる声が聞こえてきた。
『えぇ~?“また”拾ってきたんですかぁ?もう、いい加減にして下さいよねぇ?』
……また?って事は、僕の他にも、こういう特殊な環境の人を、寝泊りさせたりしているのかな?
「あ、あの……」
「あぁ~、気にしないでねぇ?ミレイったら、あんな事言っているけど、結構、嬉しがってるんだから」
どうやら、部屋の中から聞こえてきた声の主は、ミレイさんと言うらしい。
目の前で、靴を脱ぎ終わって僕に笑顔をくれるお姉さんの名前は、今だ、判ってないんだけど……。
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