過去の序章に過ぎず。

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 朝、家を後にした三人は、じいやの車に乗り、ある場所へと向かっていった。 「さて、着くまで、何があったか、話してもらおうかのう」  三人は一旦、顔を見合せ、一つ頷くと、一人一人、それぞれに遇った話を話始めたーー。  しかし、話した事は偽りに過ぎなかった。  某謎の会場とやらに三人は、じいやに勧められるがままにやって来た。 腕の小手調べに此処へ行くと良いじゃろ。  そう何をしてきたか話を終えると、送る車の中でじいやが言った。  此処では、怪盗になる素質があるかないかのちょっとした試験があるというらしい。この地域から半径500Km以内の地域の人間をメインに主催するという。  怪盗になる者は、本名を使わずにハンドルネーム等を使うという。 「…たくっ試験なんかめんどくさいな」  眼鏡を直すは、元前髪の長く、何処か人と加わろうとはしなかった伏し目がちだった釣り目の少年。  数十年は経ったのもあるのか、すっかり変わっていた。  彼のハンドルネームは“眼鏡”というのは冗談で“ブレイン”。
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