過去の序章に過ぎず。

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  「…頑張るのよ。っ…じゃなかったブレイン」  本名を言いかけたのは、元小汚い、ニキビと孤児院で言われ、女性として綺麗になろうとは思う事が出来なかった少女。  彼女もまた変わっていた。  気品かつセクシーで美貌を兼ね備えた女の中の女になっていた。  彼女のハンドルネームは“ローズ”。  彼女は、怪盗記念に左腕に薔薇のタトゥーを彫ったと言うが、実のところ、良く知らない。 「そういえば、本名って怪盗になって名前が売れるようになったら広めていいって聞いたぜ?!」  楽しそうにするは、元身体が細く弱々しかった今にも骨が折れそうだった怪盗宣言をした少年。  あの日、怪盗を目指す理想を言った通りに彼は、理想の身体を手に入れていた。  ハンドルネームは“肉体馬鹿”ではなく“バドリィ”という事になった。  すっかり彼らは、見違えていた。  
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