過去の序章に過ぎず。

6/15
前へ
/625ページ
次へ
  「ってそれ誰から聞いたんだ?」  横目でブレインは聞いた。 「聞き耳立てていた!」  自信満々に答えた。  周りは怪盗を目指す素人ばかり。そんな中に三人は居る。 「そういえばさー、二人共、どうして怪盗になろうと思ったんだよ?」  何故か準備体操をするバドリィは、後ろに立つ二人に問うた。二人は、え、と驚いた顔をさせ、視線を下に下げる。 「?」  二人の返答が無いのに気付き、上体を後ろに反らした。 「何だよ、言えない事なのかよ」  共に視線を下げる二人は頷いた。 「そうよ…」 「そうだ。勘弁してくれ」  二人の様子に首を傾げながらも、まぁいいよ、と言って彼は、上体を戻した。 「にしても、早く始まんねぇかな」 「…何言ってんだ。始まるのは正午ちょうどだ。まだ10時だぞ?」  ブレインの言葉にバドリィはグルリと体を反転させる。その顔は、何も知らなかったようだ。 「は!?聞いてねぇしコノヤロー!!」 「五月蝿い」  横で耳を塞ぐローズ。 「じいやから貰った紙に書いてあった」 「はぁああいぃ!?」 「五月蝿いってば!!!」  ローズは、声を張り上げるバドリィの耳元で怒鳴った。
/625ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加