過去の序章に過ぎず。

10/15
前へ
/625ページ
次へ
 いつしかブレインも笑っていた。  三人の笑いが落ち着いた頃、ブレインが言ってきた。 「…たくっ。これは母さんの形見なんだ…顔も覚えてない母さんから貰ったんだ」  指輪を撫でながら、ブレインは微かに笑みを浮かべていた。しかし、何処か悲しいような笑みにも二人には見えた。 「…そうだったのね」 「そうなのか…」  二人はしんみりとした顔になる。  ブレインは、二人の肩を二回、優しく叩いた。二人が自分の顔を見ると、彼は笑ってみせた。二人も笑みが零れる。 「さ、始まるまでどうする?」  笑顔を浮かべながら、二人の肩から手を離したブレインはそう言った。 「そうね。まだ時間はあるし、他の人達も殆どどっか行っちゃったし…」  ローズは辺りを見渡す。 「うぅ…ハンバーガー食いに「「却下」」  バドリィの言葉に二人は否定する。 「ピクルスあるから俺はやだ」 「肉肉しいのはちょっと嫌」  そんな二人の冷たい言葉にバドリィは、膝を抱えて、その場に疼くまった。
/625ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加