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そろそろかなと思ったローエルは塀から降りた。
「お?」
目の前に置かれたゴミ箱が怪しくガタガタと動いている。
幽霊でも居るのかと思ったローエルはゴミ箱の前に立った。もし居たら、皆に見せて自慢をしようと考えた。
荷物を置く。
せーのっ!
ゴミ箱の蓋を開けた瞬間だった。
「ふみゃあ!」
「ギャアアアアアア!!!!」
突然、野良猫が顔に飛び掛かってきたのだ。ローエルは尻餅を付き、挙げ句の果てには、猫に思い切り顔を引っ掻かれ、盗んだ食材の一つを泥棒されていった。
きっと誰かが野良猫をゴミ箱に閉じ込め、たまたま開けた自分を犯人だと猫は勘違いしたのだろう。
「いでぇよぉ…猫のバカヤロー…」
荷物を抱え、顔の血を拭きながら歩く。
ふと、ショーウィンドウに置かれたテレビを見た。
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