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そうローエルは、一度もタミヤを出し抜く事が出来なかった。
タミヤは普通に歩いていても、通りすぎるもの何でも、自分の手元に持ってきてしまうのだ。盗まれる本人はきっと、使うときまで気付かないだろう。
じいやの知り合いと見て、流石と思うものがある。
「まぁまぁ良いじゃないか。記念を残すのは良いことだよ」
笑いながら言うタミヤは、カメラを不意に手元から消した。
タキ達が拍手する。
「さ、明日は雨だから。温かくして寝るんだよ」
夕日が沈みかける頃、タミヤはそう言って、拠点へと帰っていった。
「んじゃ、今日はヌクヌクで寝ようか兄ちゃん」
タツはローエルに言う。
「ポカポカだー!」
タノ達はキャッキャッとはしゃいだ。
「んじゃ明日は外出れない…」
エスタニアはポツリと外を見上げながら、呟いた。
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