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体を起こし、辺りを見渡す。東の方から聴こえてくる。
下に降り、中で眠る兄弟達を見た後、聴こえる方へと走っていった。
何処かで聞いたことのある歌だった。
そういつも食糧調達の度に通る道でよく聴いているあの歌。
辿り着くと、丘の上で少女が唄っていた。その横で彼女の歌を聴く少年が座っている。
何処の子だろうか。スラム街では見たことない子供達だった。
ローエルは近寄っていく。
「!」
二人が気付いたようだ。
少年は少女の後ろに急いで身を隠し、少女は怖い顔をさせて、ローエルを警戒する。
「えと…こんな所に居たら、危ないよ?色々…」
ローエルは二人から少し離れた所で足を止め、そう言った。
少女は、ストレートのロングヘアーで凄いフリフリの黒い服、を着、ロングブーツを履いている。少年は、貴族が着てそうな半ズボンになんて言えばいいのかチョッキのような燕尾服のようなものを着、ブーツを履いた美少年。
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