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「ある女に新曲の楽譜を盗まれてしまった」
「は!?」
「私は忙しいし、弟を行かせる訳にはいかない…」
二人がローエルを横目で見た。
「・・・俺に盗ってこいと?」
二人は一拍おいて、頷いた。
「ハァ…」
二人と別れたローエルはやるせない顔で寝袋に入った。
家から楽譜を盗ってこれる訳ないじゃないか。ましてや金持ちの家に忍び込む。無理だ絶対。policeに捕まってオジャンだ。しかし、月は楽譜が無ければ、撮影も何も出来ないと言う。ローエルは、頭を抱えた。
朝。
頭が重い。寝不足だ。あの女のせいだ。いや女を侮辱していけないな、と反省する。
「ハァ…」
溜め息を吐く。
どうしろと言うんだ。
「ちょっと外行ってくるわ~」
だらけきった様子でローエルは外へと出た。
月達は、この時間、どこに居るのだろうか。
探してみることにした。
なんだか、彼女から目が離せない。
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