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彼女一人も心配ということで、結局着いていく事にした。
街の路地裏をどんどん通って行く。通ったことのない場所までやってきた。
「おい…まだかよ?」
心配になる。
「あと少し…」
走る。
カツンカツンとブーツのヒールが音を立てる。
何分走っただろう。月がやっと足を止めた。
そこは、古びた廃墟のホテルだった。
月が歩いていく。後ろを着いていく。
「ふにゃあ!!」
「うわああ!!!」
ローエルは叫んだ。野良猫が足元を通過した。
「馬鹿か。ただの猫だ」
「猫はもううんざりだ!!!」
月はフフフと笑った。
中に入り、奥へと歩いた。
その先には、大宴会場がある。大人数で食をとれるようだ。
扉を開ける。そこには誰かがいる気配がする。
「明り」
と、ポォーッとランタンの灯りが部屋を小さく照らした。しばらくすると、あちこちにもランタンがあるのだろう。部屋中が照らされた。
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