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町の皆は恐怖に脅えていた。
しかし、他国の自分達では、内戦を止めることは出来ないのである。
銃は持つことは出来る。護身用にしか出来ない小さい勇気だ。
直ぐに次へと足を向けた。
その町は、一夜にして火の海へと化した。
「次は、此処だな」
スラム街の名前を聞いたローエルは目を見開いた。
その隣の街が、月の街だったからだ。
去る前に月が行った。
「もし○○という街の近くのスラム街によるなら○○へ来い。私の家がある。そこに海も居る」
ローエルは胸が踊った。
もしかしたら、彼女に惚れていたのかもと今に思うが、彼女はとても暗い海の底に沈む到底、手には届かない存在を持っていた。
いつものようにアジトを探し終え、ローエルは街にやってきた。
ふと、道の先で女性が若僧達に囲まれている。
「離してください!!」
「金持ってるんだろ?…ほらあんじゃねえか!!」
白昼堂々としたかつあげだ。
財布を持った若僧達がこちらへ歩いてくる。ローエルの出番だ。
若僧達とすれ違う寸前に財布を持つ手に財布から飲みかけのジュースのカップと交換させた。
彼らは笑っているだけで気付いていない。
「お姉さん、財布です。今のうちに逃げないと危ないですよ?」
「へ?…あ、私のありがとう坊や」
ローエルを強く抱きしめた。
胸が顔を埋めた。
女性は去って行った。ローエルは暫く、その場に立ち尽くした。
セクシーな女性は
よ、弱いぜ…。
彼の後ろの方で若僧達は騒いでいた。
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