85人が本棚に入れています
本棚に追加
その少年は、怖々とまたは、加わりたくないような感じで振り返ると、二人を見据えた。
「そんなの……興味ないね…」
「でしょー」
少女も納得している。
ムッとした顔をさせた弱々しい少年は、釣り目気味少年に詰め寄った。
「いいや!成るんだよ!“三人”で!!」
「「え!?」」
驚いた顔で二人は声を揃えて、弱々しい少年の顔を見た。
その彼の顔は、自信に満ちていた。
孤児院の窓からその様子を見つめていた院長は微笑んでいた。
「これから、此処で僕らは変わるんだ!!君は世界一の罠をも覆す程の頭脳を!姐(アネ)さんは世界一の抜け目のない美貌で悪党を蹴散らして!そして、僕は世界一の頑丈かつたくましい肉体で二人のアシストを!それで世界一の大怪盗の第一歩を築くんだ!!」
しかし、彼の言葉に二人の言葉は、返ってこなかった。その時の二人には、興味と変わる勇気が一切、無かったのだから…。
最初のコメントを投稿しよう!