とある、三人の怪盗。

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 その少年は、怖々とまたは、加わりたくないような感じで振り返ると、二人を見据えた。 「そんなの……興味ないね…」 「でしょー」  少女も納得している。  ムッとした顔をさせた弱々しい少年は、釣り目気味少年に詰め寄った。 「いいや!成るんだよ!“三人”で!!」 「「え!?」」  驚いた顔で二人は声を揃えて、弱々しい少年の顔を見た。  その彼の顔は、自信に満ちていた。  孤児院の窓からその様子を見つめていた院長は微笑んでいた。 「これから、此処で僕らは変わるんだ!!君は世界一の罠をも覆す程の頭脳を!姐(アネ)さんは世界一の抜け目のない美貌で悪党を蹴散らして!そして、僕は世界一の頑丈かつたくましい肉体で二人のアシストを!それで世界一の大怪盗の第一歩を築くんだ!!」  しかし、彼の言葉に二人の言葉は、返ってこなかった。その時の二人には、興味と変わる勇気が一切、無かったのだから…。
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