とある、三人の怪盗。

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 数年して、突然の出来事。謎の集団に襲撃され、孤児院は無くなった。院長は、三人の安全を考え、自分の場から手放した。  養子として引き取られた少女――。  あちこちのスラムへと自ら院長から離れた弱々しい身体の少年――。  養子が見つかる前に忽然と消え失せた前髪の長い釣り目の少年――。  数十年が経ち、孤児院の院長だった彼は、あることがきっかけで、三人を血眼で探し始めた。  そして、三人をやっとの思いで見つけた、じいやと呼ばれていた院長は、ある場所へと誘(イザナ)えた。  誘う道中で三人は言ってきた。 「なぁ」 「じいや…」 「私達」 「大怪盗になってみせ る! るぜ! るわ!」  そう三人は口を揃えて、言ったのであった。  三人の新しい生活が始まった――。  
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