魔性の女

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不釣り合いな4人が真剣な顔をして向かい合っている。 その話が、ダルマのこと。 うん。 実にくだらない。 「というわけだから、蘭ちゃんはダルマを蘭ちゃんパワーでたぶらかして欲しいんだ」 慶は一通りこれまでのいきさつを蘭に説明し、協力を仰ぐ。 蘭は長い髪を指先にくるくると巻きつけ、遊んでいる。 ちくしょー 可愛いじゃねーか。 人形のように大きな目をパチクリさせ、「うん、やってもいいよ」と言った。 こうして“ダルマ騙し大作戦”はあっさりと決まった。 隣に座っていたファミリーが帰って行った。 そのまた隣の老夫婦もいなくなった。 うん。 何時間こうしているのかな。 気づけば時計の針は20時を指そうとしている。 たしかここに来たのは17時少し前だったはず。 長い。 長過ぎるよ。 これだけ長くいるのに、なかなか良い案が浮かばない。 いっそのこと諦めようよ。 ダルマ作戦(省略)。 .
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