魔性の女

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「どこでダルマと知り合いになるかか問題だな」 珍しくまともなことを言った晃くん。 明日は嵐だね。 「そんなのどこでもよくない?大学だって街中だって」 たしかに。 蘭の言うことも一理ある。 出会いなんてどこにでも転がっているって言うもんね。 慶は納得していないようで、眉間にシワを寄せている。 どこでもいいから早く決めてくれ。 「あ!」と、何かを思い出したように顔を輝かせる慶。 「何かいい案あった?」 「うん!つり橋!!」 こいつ。 一瞬手がグーになったよね。 だけどそれをそっとパーにして、最後にチョキにした。 あたしはジャイアンにはならない。 「つり橋効果はたしかに恋愛にいいらしいけど、さすがにつり橋で出会うのには無理があるよ。ね、蘭ちゃん」 「そうよね、晃くん」 晃くんは蘭がいるとまともな人間になるらしい。 ずっと蘭が傍にいてくれればいいのに。 本気でそう思った。 .
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