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なるほど。
プリンセスルームなだけあるな。
まず関心した。
店内にはキラキラ輝くシャンデリアが天井からぶら下がり、白とピンクで統一された見るからにお姫様っぽい造りになっている。
ウエイトレスさんの制服はメイドのようなドレスで、全てが可愛らしい。
「ヤバイ。俺今日からアリエルだよ～」
鼻の下をだらしなく伸ばす晃くん。
まったく図々しい。
お前はセバスチャンでじゅうぶんだ(ｱﾘｴﾙに出てくるｷｬﾗ)。
今は晃くんのことより、太志たちのことを気にしなくては。
運良くあたしたちは太志と蘭の隣の席に通された。
隣といっても、太志はあたしたちに背を向けている。
盗み聞きするにはもってこいのポジションだ。
慶は万が一のためか、新聞を広げている。
うん。
余計に目立つよね。
こんなに乙女全開な店内に、経済新聞は不釣り合いだ。
そんな中で、太志と蘭は勉強をはじめた。
演技とはいえ蘭は真面目にやっている。
太志は時折女物の花柄のハンカチで汗を拭いながら、必死に公式の説明をしている。
慶は複雑そうな顔をして、その様子をただ黙って見つめていた。
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