ダルマ男

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「姉ちゃん昨日朝帰りだったんだ」 「朝帰り!?」 明日香さん。 なかなかやるね。 うん。 感心している場合じゃないよね。 「それで?」 とりあえず続きを訊く。 「俺、心配だったから、朝までずっと姉ちゃんの帰りを待ってたんだ」 どんだけ姉ちゃんLOVEなんだ。 「それは朝の5時23分だった。車の音がして、俺はカーテンの隙間から外を見たんだ」 「ちょっと待った。それはたしかに5時23分だったのか?」と晃くん。 「間違いないよ。時計を確認したから」 自信満々に慶が答えた。 なんだこれ。 アリバイ確認か? 時間はどうでもいいだろ。 「車から姉ちゃんが降りて来て。隣に……隣に……」 言葉を詰まらせる慶。 「わかったよ、慶。もういいよ。言わなくていいよ。辛かったな」 晃くん。 あんたはバカですか? 安っぽいコントを見ているようで腹が立つ。 話が最後まで聞けなくてなんともスッキリしない。 「で?明日香さんが帰ってきてどうしたの?」 若干苛つきながら言った。 .
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