595人が本棚に入れています
本棚に追加
「姉ちゃん昨日朝帰りだったんだ」
「朝帰り!?」
明日香さん。
なかなかやるね。
うん。
感心している場合じゃないよね。
「それで?」
とりあえず続きを訊く。
「俺、心配だったから、朝までずっと姉ちゃんの帰りを待ってたんだ」
どんだけ姉ちゃんLOVEなんだ。
「それは朝の5時23分だった。車の音がして、俺はカーテンの隙間から外を見たんだ」
「ちょっと待った。それはたしかに5時23分だったのか?」と晃くん。
「間違いないよ。時計を確認したから」
自信満々に慶が答えた。
なんだこれ。
アリバイ確認か?
時間はどうでもいいだろ。
「車から姉ちゃんが降りて来て。隣に……隣に……」
言葉を詰まらせる慶。
「わかったよ、慶。もういいよ。言わなくていいよ。辛かったな」
晃くん。
あんたはバカですか?
安っぽいコントを見ているようで腹が立つ。
話が最後まで聞けなくてなんともスッキリしない。
「で?明日香さんが帰ってきてどうしたの?」
若干苛つきながら言った。
.
最初のコメントを投稿しよう!