- PROLOGUE -

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   耳を劈く銃声が辺りに響いて、止まない。  俺は耳を塞いで、音が収まるのを嵐が過ぎ去るように待つ。けれど、そんな俺をあざ笑うかのように、音は鳴り止まなかった。  銃声の他に、踏み荒らす足音と怒声。  家具か何かが倒される物音が時折、地面を伝う。その度に、ビクリと体を震わせた。  ――いつか、ここも見つかってしまう。  怯えて歯の根も合わずにいるのに、頭は冷静に判断する。  硬く握られた両手に包まれているのは、小さなメダル。  手の隙間からは暗闇の中でも、尊厳さを失わずに輝く黄金の色が零れ落ちていた。  
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