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逃げたらアカン
父なる太陽の恵みをその身に浴びて、木々の囁きに耳を澄ます。
麗らかな風が背中をさすれば肩凝りだって良くなるさ。
やぁ、みんな。
毎度お馴染みパネェポエミストのマルチネスだよ。
パネェは半端ねぇの略なのさ。
まぁ僕クラスの場合には超ヤベェマジ半端ねぇの略になるんだろうけどね。
今日も今日とて詩を書きまくったよ。
聞きたいかい?
え?聞きたくない!?
まぁ何だね…
…イヤよイヤよも好きの内って言葉、君だって知ってるよね。
嗚呼待って下さい。
僕を置いて何処へ行くんですか?
…そっか。
やっとわかったよ…そういう事だったんだね。
馬鹿だな僕も、今頃になって気付くだなんて。
君は楽しみを後にとって置きたいタイプなんだね。
…
ところで君は僕の服装について疑問に思っているのだろうけど…え?思ってない?
てか見えない?
何てこった。
全く君の言う通りさ。
ああ、その通り。
服なんか見える訳が無かったんだ。
だって僕は今、全裸なんだからね。
正確には葉っぱ一枚でデリケートな部分を隠してるだけなのさ。
そよ風も背中を吹き抜けて行く訳だよ。
あ、あそこに見えるのはパンドラさん(喜)
お~いPANDORAさ~ん!
なんか凄い勢いで走ってくるぞ。
パンドラさんはやっぱり僕の事を…(照)
嗚呼でも何故だろう。
パンドラさんが近付くにつれて走馬灯みたいのが見えてくるんだ。
詩人としてまた一つ階段を昇ったって事なのかな。
でも何故か君にもう一度逢えるかどうかわからないと感じてる自分がいる。
嗚呼そうか。
ポエミストとして新たな次元に達した僕はもう前の僕じゃない。
今から僕はある意味では朽ち果てて、次に君が逢うのは新しく生まれ変わった僕なんだ。
そんな深淵なる真理に気付いている間にもパンドラさんが距離を縮めて来てる。
ん?何か言ってるよ。
バイトで狩人をしてるから五感は鋭いのさ。
さながら素晴らしい折り鶴の嘴のようにね。
…なになに
今度は絶対逃がさない…
骨の髄までめちゃくちゃにしてやる…
…僕にはわかっていましたよ。
二人はL!
O!
V!
E!
な、仲だって事を!
ああ…でもどうしてだろう。
なんか震えが止まらない。
多分武者奮いって奴だね…
ドキドキするな。
逃げだしたい位だよ。
でも…逃げたらアカン。
…
じゃあみんな。
次に逢う時は、きっと生まれ変わった僕だから、そのつもりでいてくれよな。
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