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「ただいま」
寝室を覗くと彼女はベッドで横になっていた。
「あっ、おかえり」
俺に気が付き起き上がろうとする彼女を止めもう一度ベッドへ横にならせた。
「ごめんね……起きられなくて。ご飯の用意も出来てないの」
申しわけなさそうに目をふせて彼女は謝った。
「いいよ、大丈夫。あるもので済ませちゃうから。真咲妃さんは横になってて」
妊娠が発覚して以来、彼女はひどいつわりに悩まされていた。
食事も取れずほぼ一日中横になっており、一週間に一度は病院へ点滴をうちにいっている。
「つわりがあるってことは赤ちゃん元気って証拠なんでしょう?」
俺はベッドの横に座り目の高さを合わせて微笑み彼女を元気づけた。
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